「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?

読 書

「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?

今井むつみ著

前半は学術的な理由が並ぶが、心理学的な観点でもよく言われていることかもしれない。
スキーマやメタ認知、アンコンシャスバイアスなど、今取り上げられるキーワードが並ぶ。

自分と相手がスキーマという違うフィルターを持って物事を捉えているとわかって、
それでもコミュニケーションを取ろうとするなら、その先のアプローチの仕方は大き
く2つに分かれると思います。
1つは、フィルターを同じにすること。そしてもう1つは、フィルターが違っても
伝わるように伝えることです。

これらは10年前には必要なかったなぁ。と思いながら読む。

昔は「わからなくてもとにかく動く」「理解よりも行動」と言われ、知らず知らずのうちに同調圧力の中で、戦っていたように思う。

このように、ホウレンソウのない職場は、「なぜそのホウレンソウが必要なのか」
を部下が気づいていないことに上司が気づいていない、という二重の問題となってい
ることも多いものです。
上司としてホウレンソウを求めるのならば、「なぜホウレンソウが必要なのか」をきちんと説明することが、「相手の立場」に立ったコミュニケーションといえるでし
ょう。

でも、その中でもコミュニケーションを磨き、力で納得させない人もそういえば、いた。

商談や新規提案に限らず、あらゆる仕事で「提案のうまい人」「物事をスムーズに進める人」「気が利く人」は、もれなく「相手の立場」で考える能力に秀でているといえるでしょう

私たちは、誰もが何かしらのバイアスを持っていて、しかもそれに気づいていない。
その前提の上で意思決定をしていて、そうした行動を通して「性格」が判断されている。
メタ認知を磨き、こうした事実に気づいているからこそ、ビジネスの達人たちは都
度、自身を振り返り、「反省」をしているのでしょう。

後半はコミュニケーションの基礎をもう一度見直しながら現代にアップデートしていく感じ。

どちらか一方でも、「相手を思い通りに動かそう」と考えている限りは、真のコミ
ユニケーションは成り立ちません。コミュニケーションの達人は、相手をコントロールしようとしていないというのは大切な視点だと思います。

それは図らずもいつの時代にも大事な「相手を思う気持ち」から来ているように思う。

では、コミュニケーションの達人たちは、どうしているか。ある大企業で、数十人
の部下を東ねる部長を務める下さんに聞いたところ、ひとつには「相手といい関係性
くこと」、そしてもうひとつ「相手の成長を意識してコーチングのように接すること」と言っていました。

近年、すごく言われるようになった「多様性」。
これを意識したコミュニケーションはともすると「コミュニケーションを取らないことが最善」となりがちだ。

しかしそうもいかない私たちは、相手に求めることも必要だがこちらがどうアップデートしていくかが問われているに違いない。

当然、この本は伝わらない相手が読むものではなく、そこに苦慮している人たちが読むものだ。
わかっているような感じがしていることがきちんと書いてあった。

「コミュニケーションの達人」の特徴
1.失敗を糧にしている
2.説明の手間を惜しまない
3.コントロールしようと思わない
4.「聞く耳」をいつももっている

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